宅地建物取引士試験 平成27年(2015年)10月10: 遺言及び遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1/50問

権利関係
次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

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問題本文

遺言及び遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

選択肢

  • 1.自筆証書の内容を遺言者が一部削除する場合、遺言者が変更する箇所に二重線を引いて、その箇所に押印するだけで、一部削除の効力が生ずる。
  • 2.自筆証書による遺言をする場合、遺言書の本文の自署名下に押印がなければ、自署と離れた箇所に押印があっても、押印の要件として有効となることはない。
  • 3.遺言執行者が管理する相続財産を相続人が無断で処分した場合、当該処分行為は、遺言執行者に対する関係で無効となるが、第三者に対する関係では無効とならない。
  • 4.被相続人がした贈与が遺留分減殺請求により全部失効した場合、受贈者が贈与に基づいて目的物の占有を平穏かつ公然に20年間継続したとしても、その目的物を時効取得することはできない。

正解

4. 被相続人がした贈与が遺留分減殺請求により全部失効した場合、受贈者が贈与に基づいて目的物の占有を平穏かつ公然に20年間継続したとしても、その目的物を時効取得することはできない。

解説

遺言・遺留分に関する個別判例知識を問う問題。正解は肢4。肢1の自筆証書遺言の変更は『遺言者が変更場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、変更箇所に印を押さなければ効力を生じない』(民法968条3項)。二重線+押印のみでは『変更した旨の付記+署名』が欠け効力なし。肢2は最判平6.6.24等の判例により、自署と離れた箇所(本文の入った封筒など)の押印でも遺言の押印要件を満たすことがあるとされ、『有効となることはない』との断定は誤り。肢3は遺言執行者がある場合、相続人による相続財産の処分は絶対的無効で第三者にも対抗できる(改正前1013条、判例)。肢4は最判昭57.3.4により、遺留分減殺により贈与が失効した場合、受贈者の占有は所有の意思のない他主占有となり、目的物を取得時効により取得することはできない。これが正解。

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