問題本文
インターネットを利用した企業広告に関する新たなビジネスモデルを考案し,コンピュータシステムとして実現した。この考案したビジネスモデルを知的財産として,法的に保護するものはどれか。
解説
正解はエ.ビジネスモデル(事業方法)を知的財産として保護できるのは特許法.事業方法とコンピュータシステムを組み合わせて自然法則を利用した技術的思想の創作と認められれば「ビジネスモデル特許」として出願可能.意匠法は物品の形状・模様・色彩などの美的外観(デザイン)を保護,商標法はブランド名やロゴなど自他商品識別のための標識を保護,著作権法はプログラムの具体的表現を保護するが,アイデアやビジネス手法そのものは保護対象外(アイデア・表現二分論)という点が重要な対比.産業財産権4法(特許・実用新案・意匠・商標)と著作権法の守備範囲の違いを押さえる.
選択肢ごとの解説
- ア.意匠法は物品の形状・模様・色彩などのデザイン(意匠)を保護する産業財産権法.物品の美的外観が対象であり,ビジネス手法という事業方法の発明そのものは意匠の保護対象ではないため,設問のビジネスモデルの保護には適さない.工業デザインの権利保護が目的.
- イ.商標法はブランド名・ロゴ・キャラクターなど商品やサービスの出所識別標識を保護する法律.自他商品識別力のある標章が対象であり,ビジネスの仕組み・手順を保護する目的の法律ではない.顧客が選ぶ際の目印を守るのが趣旨で対象が異なる.対象や目的が設問の条件と異なるため不適切.
- ウ.著作権法はプログラムや文章などの「具体的な表現」を保護するが,その背後にあるアイデア・ビジネス手法・アルゴリズムは保護対象外(アイデア・表現二分論).表現が同じなら侵害だが手法が同じだけでは侵害にならない点に注意し,ビジネスモデル保護には不適.
- エ.正解.特許法は自然法則を利用した技術的思想の創作を保護する法律で,ビジネス方法とコンピュータシステムの組み合わせが特許要件(新規性・進歩性・産業上の利用可能性)を満たせばビジネスモデル特許として登録可能.IT業界で注目される領域で頻出論点.
ITパスポート 2012年 (平成24年 秋期) の過去問一覧へ戻る・問9