問題本文
情報システム戦略策定の主たる目的として,適切なものはどれか。
選択肢
- ア.新たに構築する業務と情報システムに対する要件を明確にし,それを基にIT化の範囲を決定してその具体的機能を明示する。
- イ.経営戦略に基づいた情報システム全体のあるべき姿を明確にして,組織としての情報システム全体の最適化方針を決定する。
- ウ.情報システム開発のために,組織として開発方法と管理方法を決定し,それらに基づいて開発と管理の標準手順を設定する。
- エ.対象とする業務の情報システム構築に関する要求事項を整理し,そのシステム化の方針と構築のための実施計画を作成する。
正解
イ. 経営戦略に基づいた情報システム全体のあるべき姿を明確にして,組織としての情報システム全体の最適化方針を決定する。
解説
情報システム戦略策定の主たる目的は,経営戦略を踏まえて「情報システム全体のあるべき姿」を明確にし,組織全体としての情報システムの最適化方針を決定すること. 経営との整合性,全社最適,中長期方針の3点が中心軸となる. 一方,要件を明確化しIT化範囲・機能を明示するのはシステム化計画~要件定義の役割,開発方法・標準手順の決定は開発標準の策定領域,個別業務のシステム化方針作成はシステム化計画の役割で,いずれも情報システム戦略の下位工程に属する. 戦略=方針決定,計画=実施計画作成という階層関係を意識する.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 「新たに構築する業務と情報システムに対する要件を明確化しIT化範囲を決定して機能を明示する」のはシステム化計画~要件定義の役割で,情報システム戦略策定の主目的ではない. 戦略は方針決定,計画・要件定義は具体化という階層関係を整理することが重要である.
- イ.正解. 情報システム戦略策定は,経営戦略に基づき情報システム全体のあるべき姿を明確化し,組織としての情報システム最適化方針を決定することが主目的. 個別システムの設計ではなく全社最適の中長期方針を定める上位工程であり,後続のシステム化計画・要件定義・開発はこの戦略を実現するための具体化となる.
- ウ.誤り. 「組織として開発方法と管理方法を決定し,標準手順を設定する」のは開発標準やソフトウェア開発管理基準の整備領域. 個別プロジェクトの進め方を組織横断で揃える役割であり,情報システム戦略策定の主目的(全社最適方針の決定)とは目的の階層が異なるため,本問の正解とはならない.
- エ.誤り. 「対象業務のシステム化要求を整理しシステム化方針と実施計画を作成する」のはシステム化計画の役割で,個別業務単位の検討. 情報システム戦略はその上位で全社視点の最適化方針を決定する位置付けであり,個別業務の方針・計画作成は下位工程の活動となる. 階層を区別する必要がある.
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