選択肢
- ア.業務の執行を行う執行役が,取締役の職務の適否を監査する。
- イ.社外取締役の過半数に,親会社や取引先の関係者を登用する。
- ウ.独立性の高い社外取締役を登用する。
- エ.取締役会が経営の監督と業務執行を一元的に行って内部統制を図る。
解説
コーポレートガバナンス強化策を問う問題. コーポレートガバナンス(corporate governance:企業統治)とは,経営者の暴走・私物化や不正を防ぐために株主・社外取締役などが経営を監督する仕組みのこと. 強化のポイントは「経営の監督と業務執行を分離する」「外部の独立した目で監督する」「情報開示で透明性を高める」の3点. 独立性の高い社外取締役の登用,監査役会・指名委員会等設置会社への移行,有価証券報告書による情報開示などが代表的な施策となる. 逆に,執行役自身が監査する,親会社・取引先関係者を社外取締役にする,取締役会が監督と執行を一元化するなどは独立性を損ない強化策にならない.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 業務の執行を行う執行役が,取締役の職務適否を監査するのは利益相反であり,監督と執行の分離原則に反する. 監督される側が監督する側を兼ねる構造は牽制が働かず,コーポレートガバナンスを強化するどころか弱体化させる施策となる. 監督と執行の分離が原則.
- イ.誤り. 社外取締役の過半数を親会社や取引先の関係者で固めると独立性が損なわれ,経営に対する客観的な監督機能が果たせない. 親会社等は経営陣との利害関係が強いため,真に第三者的な視点での牽制ができず,コーポレートガバナンスの趣旨に反する人選となる.
- ウ.正解. 親会社・取引先などとの利害関係を持たない独立性の高い社外取締役を登用することで,経営陣に対する客観的な監督・牽制が機能しコーポレートガバナンスが強化される. 第三者目線での経営評価と意思決定への参画が外部の独立した目を提供する代表的施策である.
- エ.誤り. 取締役会が経営の監督と業務執行を一元的に行うと,監督される側が監督する仕組みになり牽制が働かない. ガバナンス強化の方向性は監督機能と執行機能の分離(monitoring board model)であり,一元化は逆行する施策で内部統制も形骸化しやすい.
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