問題本文
利益の追求だけでなく,社会に対する貢献や地球環境の保護などの社会課題を認識して取り組むという企業活動の基本となる考え方はどれか。
解説
企業の社会的責任を表す概念を問う問題. CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)とは,利益追求や法令遵守だけでなく,社会貢献活動・環境保護・人権配慮・地域共生など社会全体に対する責任を企業活動の基本に据える考え方. ISO 26000(社会的責任に関する手引)などの国際的枠組みもあり,持続可能な開発目標(SDGs)とも密接に関連する. 紛らわしい用語にBCP(事業継続計画),M&A(合併買収),MBO(経営陣による自社買収)があるが,これらは経営戦略や危機管理の手法であって,社会・環境への責任を直接の主題としていない点で区別する必要がある.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は災害・テロ等の緊急事態に事業を継続させる準備計画であり,平時の社会貢献・環境配慮を主題とするCSRとは目的領域が全く異なる. 危機管理計画と社会的責任を取り違えた選択肢で,BCPは事業継続性確保が主眼.
- イ.正解. CSR(Corporate Social Responsibility)は利益追求と並んで,環境保護・社会貢献・人権配慮など社会課題への取組を企業活動の基本に据える考え方そのもの. 「企業は社会の一員」という認識に基づき,持続可能な経営の前提となる概念として広く認識されている.
- ウ.誤り. M&A(Mergers and Acquisitions:合併買収)は他社を買収・合併して事業拡大・経営資源獲得を図る経営戦略手法であり,社会的責任を主題とした概念ではない. 経営規模の拡大・再編が目的で,CSRとは観点と対象範囲が異なる別概念として整理される.
- エ.誤り. MBO(Management Buy Out)は経営陣が自社株式を買い取って経営権を取得する手法で,資本構造の再編が主題. 社会への貢献や環境保護を企業活動の基本理念とするCSRとは目的・対象がまったく違い,経営手法の一種という位置づけにとどまる.
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