問題本文
ITサービスマネジメントのプロセスにおいて,資産管理が適切に実行されているかどうかの判断に有効な計測項目はどれか。
選択肢
- ア.解決された問題の件数
- イ.緊急リリースの件数
- ウ.仕様変更の実装が失敗した件数
- エ.未使用のソフトウェアライセンス数
解説
ITサービスマネジメントにおける資産管理(ITアセット管理)プロセスは,ソフトウェアライセンス・ハードウェア・サポート契約などのIT資産を正確に把握し,過不足なく適切に運用することを目的とする活動である. 未使用のソフトウェアライセンス数は,組織が購入したライセンスのうち実際には使われていないものの数を示し,資産が適切に管理できているか(過剰購入や購入漏れがないか)を測る有効な指標となる. 解決された問題の件数は問題管理プロセスの指標,緊急リリースの件数はリリース管理プロセスの指標,仕様変更実装の失敗件数は変更管理プロセスの指標で,いずれも資産管理プロセスとは異なる別プロセスの計測項目に位置付けられる.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 解決された問題の件数は問題管理プロセスの実行状況・効果を測る指標の説明で,根本原因究明と再発防止活動の効果を表す指標である. インシデントの根本原因を解消する問題管理のKPIとして用いられ,資産管理プロセスの適切性評価には用いない別プロセスの指標である.
- イ.誤り. 緊急リリースの件数はリリース管理プロセスの計画性・安定性を示す指標の説明で,通常リリース手続きを経ない緊急対応の頻度を測る指標である. 多すぎる場合はリリース計画や品質に問題があることを示すリリース管理プロセスのKPIで,資産管理プロセスの指標ではない別プロセスの計測項目である.
- ウ.誤り. 仕様変更の実装が失敗した件数は変更管理プロセスの品質や成功率を示す指標の説明で,変更に伴う障害発生・切戻し(ロールバック)の頻度を表す変更管理のKPIである. 変更プロセスの実効性を測る指標で,IT資産の管理状況を測る資産管理プロセスとは関連が薄い別の指標である.
- エ.正しい. 未使用のソフトウェアライセンス数はソフトウェア資産の過不足や利用状況を直接示す指標で,資産管理の適切性評価に有効なため. 過剰購入(無駄な支出)や遊休資産(活用不足)を可視化でき,ライセンス監査・最適化(SAM,Software Asset Management)の中核的な計測項目として位置付けられる.
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