問題本文
ソフトウェアパッケージに添付した取扱説明書の内容を保護する権利はどれか。
解説
ソフトウェアパッケージに添付された取扱説明書(マニュアル)は文章・図表からなる「言語の著作物」であり,その内容は著作権で保護される. 著作権は表現を独占的に保護する権利で,登録不要で創作と同時に発生し,複製・改変・翻訳・公衆送信などの権利を含む. 一方,意匠権は工業製品のデザイン,商標権はブランド名・ロゴ等の業務上の標識,特許権は産業上利用できる新規発明を保護するための産業財産権で,いずれも特許庁への出願・登録が必要となる. 取説の「文章内容」を保護する権利として最も適切なのは著作権である. 産業財産権と著作権の対象の違いを整理しておく.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 意匠権は物品の形状・模様・色彩等の工業デザインを保護する産業財産権で,特許庁への出願・登録が必要. 取扱説明書の「内容(文章表現)」を保護する権利ではなく,製品自体の見た目の独自性を独占するための権利である. デザイン=意匠と覚える.
- イ.誤り. 商標権は商品やサービスを区別する標章(ブランド名・ロゴマーク・商品名等)を保護する産業財産権で,登録によって独占排他的に使用できる. 取扱説明書本文の文章表現を直接保護する権利ではなく,商品の出所表示機能を守るのが役割であり,文書内容そのものとは別領域である.
- ウ.正解. 取扱説明書は文章や図表からなる言語の著作物であり,その表現内容は著作権で保護される. 著作権は登録不要で創作時に自動発生し,複製・改変・翻訳・公衆送信などの権利を含む. ソフトウェア本体のプログラム著作物と並んでマニュアルも著作権の保護対象である.
- エ.誤り. 特許権は産業上利用できる新規の発明を独占的に実施できる権利で,特許庁の審査・登録が必要. 取扱説明書の文章表現そのものを保護する権利ではない. 取説に書かれた発明の技術内容を保護したいなら別途特許出願が必要だが,それは「文書内容の保護」とは別の問題である.
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