問題本文
企業の商品戦略上留意すべき事象である"コモディティ化"の事例はどれか。
選択肢
- ア.新商品を投入したところ,他社商品が追随して機能の差別化が失われ,最終的に低価格化競争に陥ってしまった。
- イ.新商品を投入したところ,類似した機能をもつ既存の自社商品の売上が新商品に奪われてしまった。
- ウ.新商品を投入したものの,広告宣伝の効果が薄く,知名度が上がらずに売上が伸びなかった。
- エ.新商品を投入したものの,当初から頻繁に安売りしたことによって,目指していた高級ブランドのイメージが損なわれてしまった。
正解
ア. 新商品を投入したところ,他社商品が追随して機能の差別化が失われ,最終的に低価格化競争に陥ってしまった。
解説
正答はア. コモディティ化 (commoditization) とは差別化されていた商品の機能や品質が他社の追随によって平準化し, 消費者から見て違いが感じられなくなった結果, 価格競争に陥り収益性が低下する現象を指す. 高機能家電・スマートフォン・PC等の市場でしばしば見られ, 当初の高付加価値が時間とともに失われていく. 類似事象との区別=カニバリゼーション (自社製品同士の食い合い), マーケティング失敗 (知名度不足), ブランド毀損 (高級イメージの安売り破壊) はそれぞれ別現象であり, 「市場全体の差別化喪失」がコモディティ化の核心である.
選択肢ごとの解説
- ア.新商品の機能を他社が追随し差別化が失われ低価格化競争に陥る, という事例はコモディティ化の典型例. 製品自体は市場に普及するが付加価値が消え利益率が大きく低下し収益性が悪化する戦略上の重要な課題で問題文の説明に完全合致する正答. 商品戦略上の留意事象.
- イ.新商品が類似機能を持つ既存自社商品の売上を奪う現象はカニバリゼーション (共食い) であり, 自社内での販売機会の浪費を意味する. コモディティ化は市場全体の差別化喪失で別の事象なので明確に区別すべき類似概念であり, 自社内事象と市場全体事象の違いに注意.
- ウ.広告宣伝の効果が薄く知名度が上がらず売上が伸びないのはマーケティング・プロモーション施策の不発・失敗であり, 市場全体での機能差別化喪失を意味するコモディティ化とは性格が大きく異なる事象である. 訴求力不足が原因で全く別の問題で混同しないこと.
- エ.頻繁な安売りで高級ブランドのイメージが損なわれるのはブランドエクイティ低下 (ブランドエロージョン) の事例で, 価格政策によるブランド毀損が原因. 市場全体の機能均質化を指すコモディティ化とは別の現象で明確に区別が必要となる類似事象である.
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