問題本文
事業者の信用維持や需要者の混同を回避するために,更新の申請を繰り返すことで,実質的に永続的な権利保有が可能な工業所有権はどれか。
解説
正答はウ. 工業所有権 (産業財産権) は特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つで, このうち更新により実質的に永続的な保有が可能なのは商標権のみ. 商標権の存続期間は登録から10年だが, 何度でも更新登録ができ事業者の信用維持と需要者の混同回避という商標法の目的を実現する. 他の3権は更新不可で存続期間 (特許20年, 実用新案10年, 意匠25年) 経過で消滅する. 工業所有権の存続期間と更新可否は頻出論点. 商標は事業者の業務上の信用を化体する標識で半永久的保護が必要なため例外的に更新可能.
選択肢ごとの解説
- ア.意匠権は物品の形状・模様・色彩等のデザインを保護する工業所有権で, 存続期間は登録から最長25年 (改正前は20年). 期間満了後は更新できず権利が消滅する点で永続性はなく, 更新可能な商標権とは制度設計が大きく異なるため誤り. デザイン保護に特化した産業財産権で他と区別する.
- イ.実用新案権は物品の形状・構造等に関する考案を保護する工業所有権で, 存続期間は出願から10年と短く更新もできない. 特許に至らない小発明 (考案) を保護する制度で永続的保有とは無縁の権利であるため問題文の条件には合致せず誤り. 短期限定の保護権.
- ウ.商標権は事業者が使用する商品・役務の標識 (マーク・名称・ロゴ) を保護する工業所有権で, 存続期間は10年だが更新登録によって何度でも延長可能で実質的に永続保有できる. 信用維持と混同回避という商標法の目的に合致する正答であり工業所有権で唯一の例外.
- エ.特許権は発明 (技術的思想の創作) を保護する工業所有権で, 存続期間は出願から20年で更新不可. 期間満了後は誰でも自由に実施できる公共財となる仕組みで永続的保有はできないため不適切. 公開と独占のバランス設計で他者の研究も推進する制度.
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