問題本文
PPMを用いて,自社の資金を生み出す事業と,投資が必要な事業を区分し,資源配分の最適化を図りたい。このとき,PPMにおける資金や利益の有効な源となる"金のなる木"と名付けられた領域はどれか。
選択肢
- ア.市場成長率,自社のマーケットシェアがともに高い事業
- イ.市場成長率,自社のマーケットシェアがともに低い事業
- ウ.市場成長率は高いが,自社のマーケットシェアは低い事業
- エ.市場成長率は低いが,自社のマーケットシェアは高い事業
正解
エ. 市場成長率は低いが,自社のマーケットシェアは高い事業
解説
PPM(Product Portfolio Management,プロダクトポートフォリオマネジメント)はボストンコンサルティンググループ(BCG)が提唱した事業ポートフォリオ分析手法で,市場成長率と相対市場シェアの2軸で事業を4象限に分類する. 花形(成長高×シェア高,シェア維持に投資が必要だがキャッシュ生成も多い),金のなる木(成長低×シェア高,追加投資不要で安定利益を生み他事業の資金源),問題児(成長高×シェア低,投資して花形を狙うか撤退か判断が必要),負け犬(成長低×シェア低,撤退検討対象). 「金のなる木」は追加投資が少なく済む割に安定的に大きなキャッシュを生む位置付けで,他事業への投資原資となる重要な事業ポジションである.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 市場成長率・自社マーケットシェアともに高い事業は「花形(スター)」に分類される. シェア維持のための継続的な投資が必要な事業で,キャッシュ生成も多いがそれ以上に投資需要も大きく,自由に使えるキャッシュは限定的. 投資原資としての「金のなる木」とは資金フローの観点で区別される位置付けである.
- イ.誤り. 市場成長率・自社マーケットシェアともに低い事業は「負け犬(ドッグ)」に分類される. 市場の魅力度も低く競争力も弱いため,撤退や縮小を検討する対象となる事業で,利益創出も少なく,投資原資を提供する「金のなる木」とは正反対の位置付けにある事業として整理される.
- ウ.誤り. 市場成長率は高いが自社マーケットシェアが低い事業は「問題児(クエスチョンマーク)」に分類される. シェア拡大のためには大きな投資が必要で,成功すれば花形に育つが失敗すれば負け犬になるリスクを抱える事業. 投資の出口側ではなく入口側であり,「金のなる木」とは資金フロー方向が逆である.
- エ.正しい. 市場成長率は低いが自社マーケットシェアが高い事業は「金のなる木(キャッシュカウ)」に分類される. 追加投資が少なく済む割に安定的に大きな利益・キャッシュを生み出し,他事業(問題児等)への投資原資となる位置付けのため. PPMの代表的な4象限分類における説明として一致する.
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