問題本文
企業の事業展開における垂直統合の事例として,適切なものはどれか。
選択肢
- ア.あるアパレルメーカは工場の検品作業を関連会社に委託した。
- イ.ある大手商社は海外から買い付けた商品の販売拡大を目的に,大手小売店を子会社とした。
- ウ.ある銀行は規模の拡大を目的に,M&Aによって同業の銀行を買収した。
- エ.多くのPC組立メーカが特定のメーカの半導体やOSを採用した。
正解
イ. ある大手商社は海外から買い付けた商品の販売拡大を目的に,大手小売店を子会社とした。
解説
垂直統合とは、企業がバリューチェーン(価値連鎖)上の上流(原材料・部品)や下流(販売・小売)の工程を自社グループに取り込む戦略。商社(中間流通)が小売業(販売段階)を子会社化するのは典型的な下流方向への垂直統合である。水平統合は同一事業段階の同業他社を取り込むこと。アウトソーシングは工程を外部に委託することで統合の逆方向。デコモディタイゼーションや業界標準採用は統合とは異なる概念である。
選択肢ごとの解説
- ア.誤り。アパレルメーカーが検品作業を関連会社に委託するのはアウトソーシング(業務外部委託)であり、バリューチェーンの工程を外部に出す行為。垂直統合とは逆の方向の動きである。
- イ.正しい。商社(中間流通)が小売店(販売・下流)を子会社化するのは、バリューチェーン下流方向への垂直統合の典型例。流通から販売まで一貫してグループ内に取り込むことで価値連鎖を統合する。
- ウ.誤り。銀行が同業の銀行をM&Aで買収するのは、同じ事業段階(銀行業)の企業を統合する水平統合。バリューチェーン上の異なる段階を統合する垂直統合とは異なる概念である。
- エ.誤り。PC組立メーカーが特定のCPUやOSを採用するのは業界標準部品の選択であり、サプライヤとの契約関係であって事業統合ではない。垂直統合は所有権・経営権の取得を伴うものである。
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