問題本文
取引先に対する売掛金の貸し倒れに備えて,他者よりも優先的に,取引先の財産の一部を売掛金に充当できるようにする行為はどれか。
選択肢
- ア.借入金の追加
- イ.請求書の発行
- ウ.担保の設定
- エ.利息の増額
解説
正解はウ.売掛金の貸し倒れに備えて他者より優先的に取引先財産から回収できるようにする行為は「担保の設定」.抵当権・質権・譲渡担保など担保物権を設定することで担保権者は他の債権者に先立って弁済を受ける「優先弁済権」を得る.借入金の追加は自社の資金調達手段で売掛先の財産には及ばず,請求書の発行は支払を促す通知にすぎず優先順位を生まない.利息の増額は貸付条件の変更で売掛金の貸し倒れリスク低減には直結しない.担保=優先弁済権の取得という対応関係を押さえるのが解法の鍵となる頻出論点.略語のフルスペル理解と用語の対比整理が解法の鍵となる頻出問題.
選択肢ごとの解説
- ア.借入金の追加は自社が資金を借りる行為で,自社の負債が増えるだけ.取引先(売掛先)の財産に対する優先的回収権を得る効果はないため,貸し倒れ対策としての設問条件に合致しない.資金調達手段と債権保全手段は別の話で,問題文の論点とは方向が逆向き.別概念であり設問の答えにはならない選択肢.
- イ.請求書の発行は支払期日や金額を通知して債務者に支払を促す手続にすぎず,他の債権者に先立って弁済を受ける法的優先順位を生じさせない.あくまで通常の債権回収手続の一環であり,優先弁済権を得る根拠とはならない手続なので設問の答えにならない.用語の意味を正確に把握すれば誤りと分かる.
- ウ.正解.担保(抵当権・根抵当権・質権・譲渡担保など)の設定は担保物権を取得して優先弁済権を得る行為.取引先が倒産しても他の一般債権者より先に担保物件から回収でき,貸し倒れ対策として有効.信用補完手段の代表例として頻出する重要な実務概念.頻出論点なので押さえておく重要事項.
- エ.利息の増額は貸付・売掛の金利条件を変える行為で,結果として収益増にはなり得るが他者より優先する回収権を生じさせるものではなく,貸し倒れリスクそのものへの直接対策にはならない.条件変更と担保設定の違いに注意し論点を取り違えない.設問の主題と異なる領域の概念で答えにならない.
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