問題本文
会社を組織的に運営するためのルールのうち,職務分掌を説明したものはどれか。
選択肢
- ア.会社の基本となる経営組織,職制を定めたもの
- イ.各部門の職務の内容と責任及び権限を定めたもの
- ウ.従業員の労働条件などの就業に関する事項を定めたもの
- エ.法令,各種規則や社会的規範に照らして正しく行動することを定めたもの
正解
イ. 各部門の職務の内容と責任及び権限を定めたもの
解説
職務分掌は,組織における各部署や担当者の職務内容・責任範囲・権限を明確に定めるルールであり,業務の重複や責任の所在不明を防ぎ,内部統制や不正防止の基礎を担う取組みである. 内部統制の手法の一つでもあり,相互牽制や承認権限の分離,職務の分離による不正抑止にも活用される. 会社の経営組織・職制全体を定めるのは組織規程,従業員の労働条件などの就業に関する事項を定めるのは就業規則,法令や社会的規範に照らして正しく行動することを定めるのはコンプライアンス規程や行動規範であり,いずれも職務分掌そのものとは別のルール体系である.
選択肢ごとの解説
- ア.誤り. 会社の基本となる経営組織や職制を定めるのは組織規程の説明であり,会社全体の組織構造や部署の位置付けを規定する. 個々の部署や担当者ごとの職務内容・責任・権限を細かく定める職務分掌とは異なるレベルのルールであるため,本問の職務分掌の説明としては適切ではない.
- イ.正しい. 職務分掌は,組織の各部門や担当者が遂行すべき職務の内容と,それに伴う責任及び権限を明確に定めるルールである. 業務範囲の重複や責任の所在不明を防止し,組織を効率的かつ適正に運営するうえでの基本となるため,本選択肢が職務分掌の説明として最も適切である.
- ウ.誤り. 従業員の労働条件などの就業に関する事項を定めるのは,労働基準法に基づく就業規則の説明である. 始業終業時刻,休日,賃金,服務規律,退職に関する事項などを規定するもので,組織内の職務内容や責任・権限の配分を扱う職務分掌とは別のルールである.
- エ.誤り. 法令や各種規則,社会的規範に照らして正しく行動することを定めるのは,コンプライアンス規程や倫理綱領,行動規範の説明である. 職務分掌は職務範囲と責任・権限の割り当てを規定するもので,行動規範や法令遵守を直接定めるルールとは別物であるため,本選択肢は適切ではない.
ITパスポート 2016年 (平成28年 春期) の過去問一覧へ戻る・問26