問題本文
ある製造販売会社の経営戦略の策定において,取引先との協力の下で,"調達から製造,配送及び販売に至る一連のプロセスの最適化"という戦略目標が掲げられた。この戦略目標を実現するために構築する情報システムとして,適切なものはどれか。
解説
SCM(Supply Chain Management=供給連鎖管理)は、原材料の調達から製造・在庫管理・配送・販売に至るサプライチェーン全体を、取引先も含めて統合的に最適化するシステム・経営手法。設問の「調達から製造、配送及び販売に至る一連のプロセスの最適化」はSCMの定義そのものである。在庫削減・リードタイム短縮・コスト最適化・情報共有が期待効果となる。SAP等のERPシステムと連携して実装されることも多い。
選択肢ごとの解説
- ア.誤り。CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)は顧客情報を一元管理し、顧客との継続的な関係強化・ライフタイムバリュー向上を図るシステム。顧客接点(マーケティング・営業・サポート)の管理が主目的であり、調達から販売までのサプライチェーン全体のプロセス最適化とは目的が異なる。
- イ.誤り。POS(Point Of Sales=販売時点情報管理)はレジで販売情報をリアルタイムに収集・分析するシステム。販売段階の情報管理に特化したシステムであり、調達・製造・配送を含むサプライチェーン全体を横断的に管理・最適化するSCMとは役割・対象範囲が全く異なる。
- ウ.正解。SCM(Supply Chain Management)は調達→製造→配送→販売のサプライチェーン全体を最適化する仕組み。取引先(仕入先・物流業者・小売)と情報を共有し全体コスト削減・在庫最小化・納期短縮を実現する。需要予測の精度向上で過剰在庫・欠品を防ぐ効果もある。
- エ.誤り。SFA(Sales Force Automation=営業支援システム)は営業活動の情報共有・案件管理・行動分析などを支援するシステム。営業部門の効率化・属人化排除が主目的であり、製造や物流を含むサプライチェーン全体の最適化を実現する仕組みではない。
ITパスポート 2018年 (平成30年 秋期) の過去問一覧へ戻る・問20