問題本文
製造業のA社は,製品開発のリードタイムを短縮するために,工程間で設計情報を共有し,前工程が完了しないうちに,着手可能なものから後工程の作業を始めることにした。この考え方は何に基づくものか。
選択肢
- ア.FMS
- イ.MRP
- ウ.コンカレントエンジニアリング
- エ.ジャストインタイム
解説
正答はウ. コンカレントエンジニアリング (Concurrent Engineering, 同時並行設計) は製品開発において, 設計・製造・品質保証等の各工程を直列ではなく並列に進め, 工程間で設計情報を早期に共有することでリードタイム短縮と品質向上を実現する手法. 前工程が完了する前に後工程の作業を着手可能なものから始める点が特徴. 類似手法=FMS (Flexible Manufacturing System, 多品種少量生産), MRP (資材所要量計画), JIT (ジャストインタイム, 必要量を必要なときに) はそれぞれ別目的で工程並行化とは異なる.
選択肢ごとの解説
- ア.FMS (Flexible Manufacturing System, 柔軟製造システム) は多品種少量生産に対応するため複数機械やロボットを統合制御する生産システム. 工程並行化により開発リードタイム短縮を狙うコンカレントエンジニアリングとは別概念.
- イ.MRP (Material Requirements Planning, 資材所要量計画) は製品の部品表 (BOM) と在庫情報から必要資材の発注量と時期を計算する生産管理手法. 開発工程の並行化を目的とするコンカレントエンジニアリングとは性格が違う.
- ウ.コンカレントエンジニアリングは設計・製造等の工程間で情報共有し前工程完了前に後工程を着手可能なものから並行進行させる開発手法で, 問題文の条件に完全に合致する正答. リードタイム短縮と品質向上を両立する開発革新手法として有効. 問題文の条件と完全に整合する適切な選択肢である.
- エ.ジャストインタイム (JIT) は必要なものを必要なときに必要な量だけ生産する生産方式で, トヨタ生産方式の中核となる考え方. 中間在庫削減が目的で開発工程の並行化を目指すコンカレントエンジニアリングとは別の生産改善手法であり誤り. 問題文の趣旨と合致しない不適切な選択肢である.
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